養殖カキを守るために山に植林

森林破壊による影響は、森から緑が失われ、温暖化の元凶である二酸化炭素吸収源の喪失が進むばかりではありません。森に住む動物たちのすみかを奪うのはもちろん、海に住む生物にまで影響を与えているのです。

カキの養殖地は、ほとんどが大きい川の河口近くで行われていますが、それはカキの養分のもととなる植物性のプランクトンが豊富にあるためです。しかし、その川へ水を提供している森や山に緑がないと、川へは栄養豊かな水が流れ込まなくなり、植物プランクトンが育たなくなるのです。

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宮城県気仙沼湾はカキの養殖ばかりでなく、豊かな漁場としてもかつては有名でした。しかし、一時期を経て養殖のカキの様子がおかしくなってきたのです。それは、ノリの生産が減り沿岸から小さな魚たちがいなくなったのと同じ時期でした。そして、工場排水や生活排水の増加とも時期を同じくしていました。

気仙沼と同じようにカキ養殖が行われているフランスを視察してきた一漁業者・畠山重篤さんの「カキのエサである植物プランクトンは、森や川で育つかもしれない」という報告で、漁業仲間との森づくりがはじまりました。

北大教授の「気仙沼のカキの養分は、ほぼ90%が腐葉土を通ってきた水の流れ込む大川でつくられる」との研究を受けて、いよいよ植林事業が本格化。大川の上流に植えられた植林の数は3万本を超え、面積は約10ヘクタールにもなりました。

そして、植林が進むにつれて、養殖カキの生産も増え、豊かな海が戻ってきたのです。この運動の影響を受けて、すでに全国15個所以上で海を豊かにするための植林事業が展開されています。

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